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 初夏の朝の青。 

 あれも、これも、やらなければならないことが山積している。
 家の掃除もしたい、窓ガラスも拭きたい、らっきょも出始めているし。
 あの人にも、この人にもメールを書きたい。
 何冊かたまっている本を、集中的に読みたい。
 原稿料の出ない、依頼原稿も三本書かなければならない。

 風営法違反ということで、クラブの摘発が続いているという。
 おれは、クラブへ行って踊ったり、酒を呑んだりする趣味は持ち合わせていないが、
 男女が酒を飲んだり、踊ったりすることのどこが違法なのだろうか。
 みなさん、すっかり大人になって、権力に意義申し立てする人がいなくなったので、
 おまわりさんがヒマを持て余しているとしか思えない。

 ラジオによると、今日は「旅の日」であるそうだ。
 根本的に、「旅」と「旅行」は違う、と感ずる。
 旅行は、行き先も旅程も決まっているもので、旅は「水盃」を交わしていくものだ。

 少し考えてみると、いまの時代って、すべて「還って来る」ことが前提だよね。
 でも、ホントはなにも還ってこない。
 昨夜さえも。 
 日々…
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 かくも平穏な日々。 

 子供の頃のこと。
 近所に住む老人(男性)の家から、大音量のラジオの音が聞こえてきた。
 大体が株式市況か気象通報だった。
 南大東島北北東の風風力4曇りなんとかミリバール気温25度、などという、
 例のあれだ。
 おれは、目を瞑って、まだ行ったことのない南大東島などのことを思うのが、
 好きだった。

 おれは、今、ヒトコイシクなると、ラジオをつける。
 この頃は、NHK第一放送でも男女がおふざけの番組があるのだが、
 NHK第一放送などは、ニュースを繰り返し伝えていればよい。
 それで、おれはもっぱらNHK第二の無味乾燥な気象通報をきく。
 今は、何ミリバールではなくヘクトパスカルという用語が使われる。
 ただし、おれは気をつかってなるべく小音量できく。
 やがて、もう少し耳が遠くなると、それは自然に大音量になって、おれは、
 完璧な孤独老人となり、近所の小学生が、漏れ聞こえてくる気象通報を、
 目を瞑ってきいているかもしれない。

 そういえば、寺山修司が気象通報を書き写すだけで、詩になる、
 とかなんとかいっていたような記憶がある。
 気象通報
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 鳩笛。 

 朝早く目が覚める。
 美味しいお茶を淹れて、一服する。
 山鳩がホーッホーッと鳴く。
 おれも呼応して、鳩笛を吹く。山鳩も返してくる。何回か呼応していると、
 山鳩とコミュニケーションが出来てくる(ような気がする)。
 つげ義春『李さん一家』に出てくる李さんは、鳥と話ができる。
 おれも、鳥と話ができるようになりたいのだが、なかなかうまくいかない。
 それでも、時々、今日は夕方から雨だよ、などとはいってくれる。

 友人から、

  いまはほぼ毎日が、あの映画の余韻のなかで生きてる感じです。
  ほかのものはもういらないくらい、
  というのは嘘ですが。 

 というメールをいただいた。
 あの映画とは、「Pina」である。おれも何度も思い返す。

 しかし、ほかのものはもういらない、といつになったらいえるだろう。
 鳥と話す
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 月。I.Y──に・ 

 牧野伊三夫さんから、「四月と十月」が送られてきた。
 京都への新幹線の中で読んだのだが、ミロコマチコさんの、
 愛犬を亡くしたことを綴った文章を読み、あやうく泣きそうになった。
 新幹線の中で、いいジジィが泣いたら「変な人」になってしまう。

 帰りの新幹線で、小倉美恵子著『オオカミの護符』を読了。
 これはよい本である。
 パスカル・メルシエの『リスボンへの夜行列車』も持っていったが、
 寝てしまって読めず。
 五月も十日…
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 夜の花。

 京都にいる。
 昨夜は、「スタンド」から始まり、「秋田屋」、「酒坊 上癇や」、「ノイリーバー」、
 「booze・K」、と足早にハシゴ。
 スタンドは別として、それ以外の飲み屋は、鎌倉にいる二人の友人の、
 京都での「夢の跡」を辿る小旅行のようなものだった。
 しかし夢の足跡なんて、追いかけても追いかけても、まるで恋のフーガのように、
 最後まで辿りつくことが出来ないようになっているのだ。
 おれは、4軒目以降、朝、ホテルのベッドで喉がヒリヒリ渇いて目が覚めるまで、
 その間の記憶がまったくない。
 こうして、おれはおれの足跡を検証するために、今夜も呑みに出かけなければならない。
 

 
 夢の足跡
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 北九州・小倉にて。
 生まれた時から死んでいく。そのとおりではないか。
 生まれた時から死んでいる、といわれると困るが。

 2000件オメデト、と唐突に何人かの人に言われ慌てた。
 また、メールもいただき、かつ、お気楽亭氏を始めとして、
 次のような豚を木に登らせるようなお言葉も頂戴した。

  楽しみに拝見させて頂いております。
  文章もですが、特に写真に惹かれます。

 これでは、3650件(10年)を目指さなければならない。
 まぁ、多分飽きるでしょうけれど。

 世間的にはG.Wの最中の休日。
 ウグイスの鳴き声しか聞こえない、静かな日である。
 黄金週間
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 窓辺。

 幅2m、長さ5m、厚さ5cmの一枚板。
 それをどう使うか、がおれのライフワークだというのだ。
 今朝の夢。

 おれは、人の家の窓から漏れてくる光景が好きだ。
 「覗き趣味」があるのだろうか。

 拙ブログ、本日で2000件。 
 何度もかいたが、おれは病的な飽き症で、日記などつけたことがなかった。
 書き始めて6年くらいたったのではないか(多分)。
 間違いないことは、書き始めた頃は小倉で生活していた。
 大きな喪失があった(おれにとっては)。出発もあった。

 だれも祝ってくれないから、おれ自身が祝おう。祝っ2000件。
 祝っ!2000件。
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 ヒグラシ文庫の窓から−1

 先日、新宿駅の地下コンコースを紀伊国屋の方へ歩いていたら、
 茂木健一郎さんに会った。
 別れて直後、詩人の中村文明さんに会った。
 へーぇと思っていたら、向うから柏木博さんがやってきた。

 不思議な日。
 
不思議な日
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 隣家の庭に一本の花桃が咲き乱れている。

 花は咲き、そして散り落ちる。
 そこに春の愁いなどをみるのは、おれと同じ愚者であるからに過ぎない。
 花は咲き、散る。そして時は往く。
 

 芭蕉に、

  「物の見えたる光、いまだ心にきえざる中にいひとむべし」

 という言葉があるらしい。
 物の見えたる・・・というのがいい。そして光である。
 これは単に「ひらめき(インスピレーション)」のことをいったのではないだろう。
 あたりが暗くなりかけの頃、花桃をみながら、おれは、
 そんなわけのわからないことを考えていた。
 物の見えたる・・・
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 谷戸の夜明け。深酒をした次の日は、どうしてか朝早く目が覚める。

 桜の刻は、はやく終わってほしい。

 西行や梶井基次郎はさておいて、桜の歌を一つあげるとすると、

   あはれしづかな東洋の春ガリレオの望遠鏡にはなびらながれ
                              
                                  永井陽子

 はなびらながれ、とあるが、これは桜でなければならない。
 まぁ、三好達治の、

   あはれ花びらながれ
   をみなごに花びらながれ

 を下敷きにしていることはみえみえであるが、
 それにしても上手いパクリだよね。

 芸術新潮の大友克洋特集を衝動買いする。
 もう何十年も芸術新潮を買うことはなかった。  
  
 あはれしづかな…
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