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 街のなかにある、わけのわからないものを撮る。

 テオ・アンゲロプロス(Theo Angelopoulos)が、
 24日、撮影中の交通事故で亡くなった。76歳だっ
 たという。
 75年の『旅芸人の記録』から、04年の『エレニの
 旅』まで、テオ・アンゲロプロスの作品、公開され
 たほぼ全てを見てきた。
 『旅芸人の記録』を見なかったら、おれは、曲馬
 館の旅興行に参加していなかったかもしれない。
 『エレニの旅』を見終わって、続編を見たい、と友
 人と有楽町のガード下の焼き鳥屋で話したこと
 が、昨日のことのようにも思われる。

   『旅芸人の記録』(1975) 
   『狩人』(1977)
   『アレクサンダー大王』(1980) 
   『シテール島への船出』(1984) 
   『蜂の旅人』(1986)
   『霧の中の風景』(1988)  
   『こうのとり、たちずさんで』(1991)
   『ユリシーズの瞳』(1995) 
   『永遠と一日』(1998) 
   『エレニの旅』(2004)

  悼ましい、本当に悼ましい。
 

 追悼、テオ・アンゲロプロス。
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  久々の「夜城」へ@横須賀線・田浦駅。
 田浦駅はつくづくさびしい駅だ。

 『ホームレス歌人のいた冬』を読み進めている。
 ようやく半分くらい、投稿歌人公田耕一の苗字がこう
 だ(あるいはきみた)ではなく、くでん、と読むことが判
 明し、著者の三山は、「公田耕一のうしろ姿が、ぼん
 やりと形をもって現れた気がした」と書く。
 読んでいて、面白いのは、時おり知人とか顔見知りの
 人が登場することだ。
 まず、朝日の短歌投稿欄の担当者が河合真帆。
 おれは、この人とある時期、よく会って酒を飲んでい
 たことがある(いつのまにか疎遠になってしまったけ
 れど)。
 あるいは、寿町の話だから当然といえば当然だが、
 横浜市寿生活館の実質的リーダー、鹿児島正明氏や
 寿支援者交流会事務局長の“オリジン”こと高沢幸男
 氏など、「さすらい姉妹」の寿町公演ではお世話になっ
 ている方々が何度も登場する。

 水葬に物語などあるならばわれの最後は水葬で良し

                            公田耕一

 水葬に物語など…、とあるが、これは塚本邦雄の『水
 葬物語』を公田耕一さんは知っているということであ
 る。
 『水葬物語』は、塚本の第一歌集(1951)であり、おれ
 が塚本を齧り始めたのが『緑色研究』(1965)からで、
 公田耕一さんは、前衛短歌初期の頃から知っている
 ということか?

 北陸・西日本、雪降り続く…
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 ナツカシキ日々。

 休日。
 昨夜、鎌倉のYという飲み屋で伴画伯と呑む。
 その飲み屋で、若布のしゃぶしゃぶをポン酢で
 食った。
 ポン酢がなかなかよく、よし、おれがつくるポン
 酢と勝負しようじゃないかと、競争心に火がつ
 いた。
 ポン酢をつくる。

 それ以外は、ベッドのなかで読書。
 『ホームレス歌人のいた冬』(三山喬著/東海教
 育研究所)。
 横浜・寿町の「ドヤ街」に在住するという、投稿
 歌人公田耕一のことは朝日新聞で読んで知っ
 ていた。

 哀しきは寿町といふ地名長者町さへ隣にはあり
                          公田耕一

 朝日新聞の歌壇欄に公田耕一の歌が集中的に
 載ったのは2008年のこと。
 しかし9カ月後、ホームレス歌人はぷっつり音信
 を絶った。
 公田とは誰だったのか、実在の人物なのか…。
 まるでミステリのような展開に引き込まれる。
 詳細は後日。

 寿町の隣には、長者町だけではなく、黄金町も
 日の出町もある。
 
 歌は哀しい。雪も哀しい。
 雪、本格的に降り始める。

 本格的な雪降り
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 冬枯れの道に落ちていた。蜂の巣の残骸か? 

 雪は降り止んだが、なにしろ寒い。
 おれの家には暖房器具が無いのだ(デロンギが
 二台もあるのだが、天井が高く、かつ広く、その
 上隙間だらけときているので、まったく温まらな
 い)。
 指がかじかんで、キーボードを打つのもままなら
 ない。
 この季節になると、思い出して読む詩がある。
 毎年のように引用するのだが、まぁ恒例という
 ことで。

   「冬の消息」
                        三好豊一郎
   
  尿とるや窓にうすうす冬の色
   
   入園まもないぼくが その独病棟を訪ねたとき
   介護の老婆に看とられながら かれは
   す枯れゆく時の流れに臥す身をゆだねていた
   ことば少なく これがすべてだというふうに
   ぼくに示した かれのこの句は
   四十年経たいまも ぼくのこころに生きている
   
     人それぞれ抱くおのれみずからの時間
     それは他から窺い知れぬ孔のように深い
  
   療園をぬけて海へ出た 風はつめたく
   時雨模様の沖は曇って 波は荒かった
   砂に嘴を突きさした鴉のむくろを見た
   村はずれの雑貨屋で塩辛を買った
   柄をつけた缶詰の小さな空缶で計ってくれた
   松林のなかのあのうそさむい病舎で
   青髭子(せいぜんし)くん おぼえているかい 加うるに
   精進揚げでささやかな宴をはったことを
    きみがいまも健在ならばの話だが

     人はどんな振幅をもって生きようと
     帰するところは自分みずからの時間であるのか

   虚空にむかって放たれたかぶら矢の
   そのゆく末を追うように
   歳経て ここに いま
   うつろうものの抗う声に耳を澄ます

    胸の奥に木枯遠く聴く夜かな

 
 三好豊一郎さんは1992年に72歳で亡くなられた。
 冬の消息
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 (昨日)キムチを漬けるために白菜を干した。

 朝方、時折風音がしたが、妙に静かだった。
 それに何しろ寒い。
 まさかと思いつつもカーテンを開けてみると雪降
 りだった(積もるほどではないけれど)。
 どうして、雪降りの日は静かなのだろう。
 

  昨夜、京都の友人からメールが来た。

 京都は冷たい雨が降ってます。寒いっす。
 今宵は「きみや」です。近くの友達のお店で鈴
 木常吉さんのLiveやってます。

 続けて、

 いま、常吉さん来てます!
 今宵は、中原さん作詞の歌を歌わはったとの
 ことです。

 北九州・小倉からは、

 こっちは雨、降り続いています。(水族館劇場の)
 桃山さんが来られました。

 28日、有山達也さんの出版祝賀パーティが開か
 れる。牧野さんから、挨拶を…というメール、さて
 何を話せばよいのか。
 雪降り、飛び交うメール
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 踊る室伏鴻。

 休日は忙しいのだ、休養をとるヒマなどないのだ。
 11時。新宿で古い友人と会い、おばちゃんのように
 雑談する。二人でつけ麺屋の「萬来」へ。
 14時。シネマートで、ナ・ホンジン監督の『哀しき獣』
 をみる。前作、『チェイサー』が面白かったので期待し
 たがそうでもなかった(それでも「インポッシブル」など
 よりもはるかに面白い)。
 そして、韓国ノワールとしては、『息もできない』の方
 が上等。
 『哀しき獣』の原題は『The Yellow Sea(黄海)』。
 17時、10数年ぶりに会う友人と池袋で落ち合う。
 おれより二つ上のはずだが、40歳後半の女性と6月
 結婚するそうだ。
 どこが痛いだの、今度陶芸を始めたんだ、などという
 話に比べ、お目出度く勢いがある。披露パーティへの
 出席を約して分かれる。
 21時。高田馬場で室伏鴻主催の新年会へ。
 今年の9月上旬、鎌倉で踊ってもらうことが決まった。
 室伏鴻に関しては、以下を参照、比較的よくまとまっ
 ている。
 
http://performingarts.jp/J/art_interview/1109/1.html 


 ある休日
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 遠くの町。 

 
仙台・鉄塔文庫では、「居酒屋談義」と称して翻訳家の
 柴田元幸さんを招いたらしい。
いいなぁー、行きたかった。
 休日の一日、寒いので、ベッドにもぐりこんで、20年も
 前に読んだ、ポール・オースターの、
『孤独の発明』(柴 
 田元幸訳)を引っ張り出して読んだ。
 
 20年も前のこと、『孤独の発明』は経歴には飛躍に至る
 前の中継地点ということになりそうだが、内容的にはそ
 うではない。飛躍はすでにこの本において遂げられてい
 る。
 この本には、以後オースターが書くことになるどの作品
 ともちがった、独自の美しさと深みがある、という柴田元
 幸さんのあとがきに、ふむふむと納得したことを思い出
 した。
 そして、やはりあとがきのなかにある、
 そこなしの孤独に身を置き、世界から遠く隔たることによ
 って、Aは世界によって豊かに書かれる。孤独が発明す
 る。何を?──『孤独の発明』という書物を、という数行に
 戦慄したことも思い出した(Aとはポール・オースター本人
 のこと)。
 柴田元幸訳では、バーナード・マラッドの『喋る馬』も好き
 である。

 

 精神が孤独を発明する…名古屋のN.Sさんへ
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 冬空。

 おれの家は、家のなかでも吐く息が白い。それは、
 おれの家の中の空気が清廉だという証である、い
 や、寒いだけか?
 昨夜、「古典酒場」の取材を受ける。聞き手は、か
 の大竹聡さんである。
 インタビューを受けるというより、大竹さんとただた
 だ酒を呑んだ、ということである。
 何を話したかも、覚えてないし。
 あっ、覚えていることがある。
 次の「雲のうえ」の特集は「ラーメン」で、書くのは
 大竹さんと鈴木るみこさんだという、今から楽しみ。

 さて、松本隆は現代詩人か?という話である。
 おれが印象的に思ったのは次のフレーズである。

   「冷たい雨が降っている」 歌詞 松本隆

     冷たい雨が降っている
     冷たい雨が降っている
     指をふるわせ 髪を氷らせ
     冷たい雨が降っている
     どの位歩いただろう
     海岸線の縁取りを背に
     夏色の船が岬へ沈むのを
     君と見たよね

 松本隆以前に、海岸線の縁取りを背に 夏色の船
 が岬へ沈む、などという歌詞があったろうか。
 確かに、「新しい感性」と言えただろう。
 しかし、城戸さんがいうように、文字だけで読むと
 詩としては凡庸である。
 しかし、旋律や歌唱との親和性や音楽との一体性
 は極めて高い。
 優れた歌詞が、その時代の新たな感性を提示しえ
 たとするならば、「詩」と呼んでもいいのではないか、
 という気もする。
 ちなみに、この歌詞の後半に、

     波と雨とが入れ替わり
     空と海とが溶けあって
     9月の海に雨が降る
     
ぼくがいまこのまま
     荒れくるう海に抜き手きったら
     君はこのボート小屋から「素敵よ」って
     声をかけてよ
 
 というフレーズがあるが、これは、
つげ義春の『海
 辺の叙景』に触発されたのではないか、という指
 摘は多くの人のいうところである。

 松本隆は現代詩人か?−2
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 巨大月餅。この巨大さ、餡のテリ。
 不思議なことがあるものだ。昨日、半分まで食べたはずなのに、
 一夜明けると、また増大しているのだ。この月餅は養老の滝のよ
 うなものなのか。
 

 先日、詩人の城戸朱里さんが来られたので、早速質問した。
 松本隆は現代詩のなかに位置づけられているのですか?
 城戸さんの応えは、「不在です」ということだった。
 松本隆の詩は、旋律や歌唱をともなうのが前提ではないか、そ
 れは、「詩」ではなく「歌詞」ということではないか、というような
 城戸さんの話だった(と思うが、間違っているかもしれない)。
 江戸アケミや町田町蔵の歌詞は、現代詩として位置づけられて
 いることなど、面白い話がたくさん聞くことができた。
 詳しくは、後日。
 松本隆は現代詩人か?
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 わが廃園に水仙が咲き乱れる。 

 寒い。夜中、何度も寒さで目が覚めた。この冬一番の冷
 え込みだという。
 あがた森魚の「大寒町」を毎夜きいている。

   大寒町にロマンが沈む 星にのって銀河を渡ろう
  可愛いあの娘と踊った場所は 今じゃ場末のビリヤード
  大寒町に雪降る頃は もうじきだね 呼んでみようよ
  輝け星よ月よりも あの娘の幸せてらしだせ
  輝け星よ月よりも あの娘の幸せてらしだせ

 昨夜、一個で230gもある巨大月餅をいただく。
 寒い深夜の町を通りすぎると、月は中天に煌々と輝き、
 かつ、月餅はわがポケットにあって、とてもハッピーな気
 分だった。
 現金なものだ、おれは。
 月の大寒町
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